『南方熊楠のロンドン』志村真幸

『南方熊楠のロンドン  ―国際学術雑誌と近代科学の進歩
 志村 真幸(著)


発行:慶應義塾大学出版会
A5判/上製/296頁
初版年月日:2020/02/20
ISBN:978-4-7664-2650-2
価格 4,000円+税

雑誌の国のKUMAGUSU
19世紀末、最先端の都市ロンドンに留学し、
国際学術誌『ネイチャー』『ノーツ・アンド・クエリーズ』『フラヘン』に376篇もの
英文論考を寄稿した南方熊楠の営為を捉えなおす、気鋭の力作。

イギリスと東洋が関係を深めつつあった19世紀末、
当時、最先端の都市だったロンドンに留学し、
大英博物館リーディング・ルームを主たる舞台として
世界各国の辞書や事典を渉猟し、学問的研鑽を積んだ熊楠は、
いかにして欧米の学術空間に受け入れられたのか。

国際学術誌『ネイチャー』『ノーツ・アンド・クエリーズ』『フラヘン』に
376篇もの英文論考を寄稿し、東洋からの知見の提供によって、
近代科学の発展を支えた南方熊楠の営為を
歴史的・国際的な視点から捉えなおす、気鋭の力作。

[目次]
序章 雑誌の国の熊楠
第Ⅰ部 『ネイチャー』
 第1章 ロンドンでの二つの「転換」
 第2章 「東洋の星座」に秘められた戦略
 第3章 一九世紀末の『ネイチャー』を読む
 第4章 東洋への関心
 第5章 東洋の情報提供者から世界の探求者へ
 第6章 『ネイチャー』からの撤退
第Ⅱ部 『ノーツ・アンド・クエリーズ』
 第7章 熊楠と『ノーツ・アンド・クエリーズ』
 第8章 質疑応答するアマチュア知識人たち
 第9章 辞書の黄金時代
 第10章 『ノーツ・アンド・クエリーズ』的空間の世界展開
 第11章 熊楠は『ノーツ・アンド・クエリーズ』をいかに利用したか
 第12章 熊楠の西洋世界への貢献
終章 国際的知的空間における熊楠の役割と価値

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