発行:中央公論新社
新書/ 288ページ
初版年月日:2024年09月19日
ISBN: 978-4121028211
価格 1,056円(本体960円)
学び続けたひとびとを見よ
近代に入り、大学などの研究機関が整備される中、在野で独学に打ち込むという道を歩んだひとびともいた――。
本書は、柳田国男に「日本人の可能性の極限」と評された南方熊楠を軸とし、ダーウィン、マルクスから福来友吉、牧野富太郎、三田村鳶魚ら、英日の独学者の姿を描き出す。
さらに知のインフラとしての郵便、辞書、雑誌、図書館などにも着目。
近代の独学者たちの営みは、現在の「知」をも照らすだろう。
【目次】
はじめに
序 章 学問におけるアマチュアとプロ
第1部 イギリス
第1章 ダーウィン――学問は大学だけのものにあらず
第2章 大英博物館のマルクスたち――独学の場所と方法
第3章 『ネイチャー』と『N&Q』――成果と発表をつなぐネットワーク
第4章 マレーと『オクスフォード英語大辞典』――知識の集積と活用
第2部 日本
第5章 牧野富太郎と植物学――官と民の狭間に立つ学問
第6章 柳田国男と民俗学――組織化の先に
第7章 福来友吉と超能力研究――アカデミズムの外側でも
第8章 三田村鳶魚と江戸学――最後は孤独なアマチュア
終 章 アマチュア学者たちの行方
おわりに
主要参考文献
志村 真幸(シムラ マサキ)
1977年神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間・環境学)。慶應義塾大学文学部准教授、南方熊楠顕彰会理事。著書『南方熊楠のロンドン』(慶應義塾大学出版会、2020年/サントリー学芸賞“社会・風俗部門”、井筒俊彦学術賞)ほか
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