Duet 林圭介 上瀬留衣

Duet 
肋骨をねらえ、爪先で蹴り上げろ。

林圭介 上瀬留衣
Keisuke Hayashi
kamiserui

の度、林圭介(油彩)と上瀬留衣(立体造形)による、二人展「 Duet -肋骨をねらえ、爪先で蹴り上げろ-」を開催します。

全く異なるとはいえ、表現手法、発表形態はオルソドックスな二人。しかし二人のベクトルはどこまでもパラレルで、その二人が掛け合わされた時、完全なメタフィジカル空間が出現する。不条理かつ不可解、非常識にして非道な二重唱をご体感ください。

今からおよそ10年あと、大阪は西成の界隈で商店のシャッターに絵を(人から頼まれて)描くというようなことをやっていた。物珍しい作業をしていると、土地柄もあってか、いろいろな人に声を掛けられる。
ある日話しかけてきたのは、飛田新地あたりを流しているタクシーの運転手さん。年の頃50代前半、白髪混じりのダンディーはオーディオマニアらしく、絵なんか描いてるくらいやから音も興味あるやろといった感じで自分の趣味について語りだした。一本何万円もするケーブルで音質が変わってしまうことや、理想のサウンドを追求するための苦労など、それなりに興味深い話が続いたあと御大が放った一言。
「兄ちゃん、世間では低音は腹にくるとか言うけどな、アレは嘘や。ほんまの重低音いうんはな、肋骨に響くんや。」というわけで今回は、肋骨に響くような展示を目指します。
                                                                          文:林圭介 2022年10月

私が日頃遭遇する偶然に噛み合っていない状況から生まれる面白さ、他意なき純粋な滑稽さ・分からなさとも言えるでしょうか、に対して嘔吐を伴う興奮と圧倒的な美しさ、そして爆笑を見出し続けることは、私が上瀬留衣の生を私の生として受け入れていないことからきているのでしょう。
いつまでも私にとって上瀬留衣は私ではなく、上瀬留衣という架空の生を私自身が35年間知らないうちに興じていた/いる、本当はそれが全てなのかもしれません。
                                                                          文:上瀬留衣 2022年10月

会場:Gallery OUT of PLACE
会期:2022年 12月16日(金)~2023年 1月22日(日)

木~日 12:00~19:00開廊 ※月・火・水休廊

レセプションパーティ
12月17日(土) 18:00~19:30
2022年の忘年会を兼ねて行います。
作家が在廊します。
入場無料

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