関智生個展「眼振」

関智生個展「眼振」
Tomoo SEKI  Nystagmus

長く名古屋で活動してきた私が2年前故郷奈良に戻ったのを機に、「奈良の歴史を特定の位置で一瞬に俯瞰する」という体験を自らに課し、現代美術作品に昇華しようと試みたのが、今回のシリーズ「眼振」である。

もし同じ場所を「多層な時間軸(過去と現在など)」で眺めることができたなら、「眼振:眼球の不随意な振戦」という現象が身体に起こり、横への不随意往復運動として対象がぶれて認識されるのではないか。

そこで平城京の昔、碁盤目状に区画された「条・坊」と名のつく場所に敢えて赴き、その場所の写真画像をもとに絵画作品を制作している。奈良時代から現代までを内包する場所で、過去と現在を同時にとらえた結果起こりうる眼振を「水平方向の絵の具のスキージー」として画面に表現している。

また、奈良の象徴ともいえる「鹿」は誰もが認識できる具象対象として、一方「西大寺の土壁」の表層については抽象イメージとして扱い、「鹿」(具象)と「壁」(抽象)の異なるモチーフを対比させ、そこに発生する摩擦も一つの眼振としてとらえている。

会場:Gallery OUT of PLACE
会期:2022年 10月28日(金)~12月4日(日)

木~日 12:00~19:00開廊 ※月・火・水休廊

11月17日(木)~11月23日(水)は
アートコラボレーション京都出展のため休廊します。

レセプション
10月29日(土)18:00~19:30
作家が在廊します。ぜひご来場ください。入場無料

>> Gallery OUT of PLACE