辻本佳“洞”

 辻本佳“洞”

2015年7月、30歳の時に、初めての自作公演である『Field Pray#1どうすれば美しい運動が生まれるか。』をアトリエ劇研にて上演した。当時、身体構造やダンスのテクニックについて興味があったことと、自身及び自身の生まれた土地、フィールドワークを行い紀州・熊野について考えることとを主軸に作品を作った。

それからの5年間で、レヴィ・ストロースの「野生の思考」、ルネ・デュボスの「人間と適応」、コンラート・ローレンツの「攻撃」ユクスキュル/クリサートの「生物から見た世界」、アンドレ・ルロワ=グーランの「身ぶりと言葉」、野本寛一の「石の民俗」、五来重の「吉野・熊野信仰の研究」、そして中上健次に出会った。難しいことはわからないが、文字から思考を感じた。

ある時、洞窟画は洞窟の中でちらちらとした灯火の中で動いているように見えるのだと言うことを知った。それなら劇場も洞穴みたいなものだろうと考えた。真っ暗な場所で、灯りを焚き、それを眺める人がいる。劇場に訪れた人々にとって、舞台への扉はあちら側への入り口で、あちら側の奥から洞窟画を演ずる物たちがやってくる。

今回の作品では、上記の書籍から少しずつ思考の流れをいただき、自身で手を入れた音響装置、美術、ダンスを用いて、どのようなアプローチを劇場空間へできるのかを実験したいと考えている。

本を読んでいると、文字の向こうからこちらを眺めている視線を感じる時がある。
トンネルの入り口から見る遠い出口は、何か懐かしい感覚を私に伝えてくれる。
カメラを構え、ファインダーを覗くと、自分がどこにいるのか解らなくなる。
私がどのようにしてこの真っ暗な空間を捻じ曲げられるのかを考え続ける。
5年間集めた様々なものを使って、ここでどうブリコラージュを行うか。
覗いて頂けると幸いです。

辻本佳

会場:THEATRE E9 KYOTO

日時:

2月18日(木) 18:00
2月19日(金) 18:00
2月20日(土) 18:00
2月21日(日) 15:00
・受付開始は開演の45分前、開場は30分前です。
・上演時間予定 60分

緊急事態宣言を受け、夜の回の上演時間を変更いたしました。

チケット
[自由席/日時指定/税込]
一般:前売3,500円  当日4,000円
U29:前売2,000円  当日2,500円

*写真付き応援チケット
一般:前売6,000円
U29:前売4,500円
E9サポーターズクラブ/支援会員:2,500円

※辻本佳が本作品を制作する中で撮影した写真作品です。今後制作活動を継続するための資金にさせていただきます。
※予約のみの販売となります。当日はご購入いただけません。
※写真は当日窓口でお渡しさせていただきます。

作品には一部、裸体表現が含まれます。予めご了承ください。

キャスト

出演|辻本佳
演出・音響・美術|辻本佳

スタッフ

舞台監督・照明|渡川知彦
音響協力|瀧口翔
美 術|松本成弘
宣伝美術・制作|辻本佳

主催・企画製作| 辻本佳
提携|THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
京都芸術センター制作支援事業
京都府文化活動継続支援補助事業(申請中)

>>詳細 THEATRE E9 KYOTO